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がん相談ノート

がん患者さんの相談を日々受けている記録と呟き

終末期鎮静をしたくないという医師に対して自分の希望をどう伝えるか

相談者について

岩田めぐみさん、40代後半、在宅で緩和ケアを受けている

激しい痛みがあり在宅ではケアが難しくなり、以前から面談を受けていた緩和ケア病棟のある病院に入院。

 

相談内容

終末期鎮静をかけて欲しいが対応してもらえないと弟さんより電話

 

 

支援内容

 

岩田さんの痛みが強いため以前から希望していた緩和ケア病棟のある病院に入院したものの、緩和ケア病床が空いていないとのことで一般病棟に入院。

痛みを訴えても看護師から「静かにしてください」といわれコントロールしてもらえない。

激しい痛みに本人は鎮静を希望している。

緩和ケア病棟にまもなく移れるとのことだが、緩和ケア病棟でも鎮静をしてもらえないのではないかと不安がっているとのこと。

 

まず弟さんに、緊急で一般病棟に入ったことで一般病棟の看護師は岩田さんの病状など正しく把握していない可能性があり、夜中に入院をして「鎮静してくれ」といわれても対応できないと思われること。

ただ痛みが強いことは伝えて緩和ケア医と連携して痛みをとってもらうようお願いした欲しいと伝える。

 

その後、緩和ケア病棟にベッドを移して痛みが改善。

ただし、本人は痛みを感じるくらいなら鎮静して欲しいと希望しているが緩和ケア医が「鎮静を極力したくない」「痛みはとれる」といっていると本人から連絡。

痛みが改善といっても痛みは継続的にあり辛いとのこと。

そこで、岩田さんに「これから厳しいアドバイスをしますがいいですか?」と伝えて了承をとったうえで、「痛みが強くなり、コントロールが難しくなったときには終末期鎮静を強く希望します。終末期鎮静がどういうことかは理解しています」と一筆書くこと。

ご家族にもその横に「家族も終末期鎮静を理解し、希望しています」と署名入りで書いてもらうこと。

それを緩和ケア医もしくは看護師に渡してカルテで共有してもらうこと。

原本はベッド脇に貼って見えるようにしておくことをお伝えした。

ただし岩田さんのお子さんが一筆書くのではなく可能であれば、できるだけ年齢が上の家族がいいと思いますとお伝えした。

 

まとめとつぶやき

岩田さんは、そのとおり一筆書かれ、ご兄弟も一筆書かれて署名されました。

ベッド脇に貼って意思表示をし、鎮静に入られたそうです。

その後も目が覚めることが何度かありお子さんたちにお別れを伝えて穏やかに天国に旅立たれたと連絡がありました。

ご家族からは「最後の厳しい決断を支えていただきありがとうございました」と伝えられましたが、私からご家族にも長い間の在宅のケアや支援がんばられたことを労ったうえで「今回の決断を支えられたことでもしも気持ちが苦しくなるようなことがあればいつでもご連絡ください」とお伝えしました。

鎮静を決断をした側が自分を責めてしまうケースもこれまでみており「それでよかったんだ」と肯定し「遺族ケア」するのも私たち相談員のできることかもしれません。

また、岩田さんに子どもに書かせないようにつたえたのも、子どもが自分が決断したからだと責めてしまうことがないようにと願ったものです。